YouTube広告のパナソニック共同開発の最小エアコンは詐欺?AIチップ搭載で東京消防庁認定は本当か

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2025年7月9日現在、YouTubeやTikTokの広告でパナソニックと共同開発した、AIチップ搭載で消防庁(東京消防庁)認定の世界最小のエアコンに関する動画を見たという、SNS上での投稿が増えております。

  • 消防庁が認定と述べていたが、公的な機関が本当にそのような認定を行うことがあるのか?
  • 詐欺であることがわかるような公式情報はあるのか?

このように思われる方もいるかと思います。

本記事では、YouTube広告のパナソニック共同開発の最小エアコンは詐欺かどうかについて調査して記載します。

目次

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YouTube広告でパナソニック共同開発の最小エアコンを見たという声

2025年7月9日現在、YouTubeやTikTokの広告でパナソニックと共同開発した、AIチップ搭載で消防庁(東京消防庁)認定の世界最小のエアコンに関する動画を見たという、SNS上での投稿が増えております。

SNS上で確認される投稿内容をまとめると以下のとおりです。

  • パナソニックと共同開発したAI半導体、屋外用ポータル腰掛けエアコンが48時間稼働って詐欺ではないのか?
  • YouTube広告の世界最小の携帯型エアコンは怪しい、中国人らしき人物が出ており、機械音声っぽい広告が流れてくる
  • Panasonicが開発した世界最小エアコン、消防庁が1ヵ月使ってこれは良いと認めたようだが本当だろうか?
  • 東京大学との共同研究でヤマダ電機から発売という文言もある

このように、様々なパターンの広告があるかと思いますが、東京消防庁やパナソニック、東京大学、ヤマダ電機などの企業や公的機関の名前が使われているいることが特徴です。

また、YAMADAのロゴやパナソニックで使われているロゴの掲載、GOOD DESIGN AWARD2025受賞、2025年度省エネ大賞受賞といった文言も確認されています。

例として、以下のSNS上で共有されている広告では、東京消防庁が指定した屋外用冷却製品(ポータブル腰掛けエアコン)の紹介がなされています。

これによれば、衣類の中に隠すことができ、40℃でも0.1秒で16度の涼しさを感じることができるという記載がなされているようです。

また、東京気象台がおすすめするという文言、最大72時間稼働、3台で7980円と激安価格なところも特徴となります。

やまとくん

7月の暑い時期になったことを受け、超小型のエアコンでAIチップ搭載のものが激安価格でYouTube広告で出てくるようになったのかと考えられます。

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YouTube広告の動画で述べている製品の特長と不審点について

なお、SNS上で共有されている不審な動画については例として以下のようなものがあります(ここでは当方が確認した動画のサムネイルのみ掲載します)。

YouTube広告ででてきた製品紹介動画
YouTube広告ででてきた製品紹介動画

ここで述べられている製品の特長をまとめると以下のとおりです。

YouTube動画の製品紹介広告の特徴
  • パナソニックが開発した世界最小のエアコン
  • 消防庁認定で外気温が四十度でも、16度の涼しい風を感じられる
  • パナソニックと共同開発したAI半導体冷却チップを搭載
  • 外気温を自働で判断し、雪国にいるかのように気温が一気に16度に下がる
  • 0.1秒で16℃の涼しい風を感じることができる
  • 1回の充電で36時間連続使用可能

この動画の内容を見ても、かなり怪しいと感じてしまいますが、不審点としては以下の点が挙げられます。

製品紹介広告の不審点
  • 動画の日本語がたどたどしく、日本人の発明は本当に素晴らしいですと述べており、外国人(中国人?)によって作られたと思われるが、パナソニックと関連性があるのか?
  • 消防庁認定といっているが、公的機関が商品の購入促進につながるような認定をすることがあるのだろうか? 
  • 0.1秒で16℃の涼しい風を感じることができると述べており誇大広告っぽい

全体的に見るとかなり誇大広告っぽい内容となっており、かつ、消防庁認定という文言やパナソニックとの共同開発と述べている・外国人により作成された機械音声っぽい動画となっており不信感が強いものとなっています。

なお、この事実が本当なのか、公式の注意喚起情報などを踏まえながら詐欺であるかの判断をしていきます。

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YouTube広告のパナソニック共同開発の最小エアコンは詐欺の可能性が高い

本件のYouTube広告のパナソニック共同開発の最小エアコンは詐欺の可能性が非常に高いと考えられます。

以下にその理由について記載していきます。

YAMADAのお知らせで注意喚起

本製品については、YAMADAのロゴが使われていることから、YAMADA公式のサイトのお知らせを確認したところ、以下のような内容の注意喚起が2025年7月3日になされていました。

YAMADAの注意喚起概要
  • YAMADAの名前・ロゴ、店舗の画像を悪用した詐欺広告とみられる偽キャンペーンがSNS・インターネット上で確認されている
  • この件についてはYAMADAは一切関係がない

現在、当社の名前やロゴ、店舗の画像を無断で使用した、詐欺広告とみられる偽キャンペーンがSNSやインターネット上で確認されています。この件に関しまして、当社とは一切関係ございません。

YAMADA公式サイトの大切なお知らせ

上記内容では、具体的な商品名を指して詐欺製品であるという述べ方がなされていませんが、7月3日に公開された注意喚起の情報であるため、タイミング的にも本件などの商品を指しての注意喚起であると考えられます

詐欺サイトにご注意くださいというカテゴリーでは、その前の注意喚起が令和4年8月26日となっており、3年近く前のものとなっており、頻繁にこのようなお知らせを掲載しているわけではないようですので、特に今回のような詐欺商品の問い合わせが急増しているのではと考えられます。

パナソニックでも注意喚起

パナソニックで共同開発という文言が述べられていたので、パナソニック公式の注意喚起情報を確認したところ、以下のような内容の注意喚起が2025年7月8日になされていました。

パナソニックの注意喚起概要
  • パナソニックグループの社名やロゴ等の商標を無断で使用し、パナソニックとは関係のない製品を販売するECサイト、ECサイトへ誘導する偽広告が確認されている状況である
  • これらのサイトや広告、商品については一切関係がない
  • 偽広告が確認された時点で、広告掲載媒体への報告・対応は実施している

パナソニックグループの社名やロゴ等の商標を無断で使用し、当社と関係のない製品を販売するECサイトや、ECサイトへ誘導する偽広告が確認されております。
これらのサイトや広告および掲載商品に関しましては、当社と一切関係がございませんのでご注意ください。
当社では偽広告等が確認された時点で、広告掲載媒体への報告・対応を行っておりますが、万一、トラブル・被害にあわれた場合は、最寄りの警察署までご相談ください。

パナソニック(Webサイトやソーシャルメディアを通じたパナソニックの名をかたる広告にご注意ください)

上記注意喚起では、YAMADAの場合と同様、具体的な商品名を明示して詐欺製品であるという述べ方がなされていませんが、7月8日に公開された注意喚起の情報であるため、タイミング的にも本件などの商品を指しての注意喚起であると考えられます。

また、上記引用の注意喚起ページによれば、個人向けの製品については、個人向け商品のサイト、法人向けの製品については、法人向け製品のサイトでそれぞれ確認できるようですので、今後同じような広告を見かけた際は、こちらの情報を見ると詐欺商品かどうかの判別に役立つかと思います。

当方でも上記個人向け商品サイトのエアコンの欄を見たところ、当然のようにYouTube広告で紹介されていたような上記特徴の商品は掲載されていませんでしたので、詐欺である可能性が高いと考えられます。

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東京消防庁でも注意喚起

SNS上で確認された画像や動画では、消防庁(東京消防庁)指定・認定といった文言も確認されましたので、東京消防庁公式のお知らせを確認したところ、「東京消防庁の名義を無断使用した商品販売について」というタイトルのページで以下のような内容の注意喚起が2025年6月20日になされていました。

東京消防庁の注意喚起概要
  • 平成7年4月以降、「東京消防庁指定商品」や「東京消防庁が強く勧める」等、名義を無断使用して商品を販売する通信販売サイトが存在するとの情報が寄せられている状況である
  • しかしながら東京消防庁では、特定の商品の購入促進につながる宣伝や商品の評価等を行っている事実はないため、東京消防庁とは一切関係がない

令和7年4月以降、「東京消防庁指定商品」や「東京消防庁が強く勧める」等、当庁の名義を無断使用して商品を販売する通信販売サイトが存在するとの情報が複数寄せられております。

当庁では、特定の商品の購入促進につながる宣伝や商品の評価等を行っている事実はなく、該当の通信販売サイトは東京消防庁とは一切関係がありません。皆様におかれましては、東京消防庁の名義を使用した商品の販売を行う通信販売に対して十分な警戒をお願いします。

東京消防庁

このように、公的機関の東京消防庁が特定の商品の販促活動に加担するような評価を行うことは無いということがわかりましたので、これらの記載がある商品は詐欺である可能性が高いものとなります

やまとくん

東京消防庁のロゴや名前が使用されていたとしても、商品の広告内に「指定」とか「認定」と言った文言がある場合は、東京消防庁とは一切関係がないと判断して良いかと思います。

「GOOD DESIGN AWARD2025」「2025年度省エネ対象受賞」はまだ発表されていない

もし、「GOOD DESIGN AWARD2025」「2025年度省エネ対象受賞」といった文言が2025年7月時点で入っていた場合は間違いなく不当表示であると判断できます

それぞれの受賞のスケジュールは以下のとおりとなっているためです。

受賞スケジュール
  • 2025年度省エネ大賞受賞:2025年12月中旬
  • GOOD DESIGN AWARD2025:2025年10月中旬

なお、省エネ大賞の表彰元である、一般財団法人省エネルギーセンターのサイトには不審販売サイトであるJIUALAAのサイトを名指しで不当表示であると注意喚起をしています。

一部の通販サイト(JIUALAA)で省エネ大賞受賞の事実がない首掛け式冷風機について「2025年度省エネ大賞受賞製品」との偽った表示がありました。2025年度の受賞決定は2025年12月中旬です。また、過去の受賞製品は、下記の「省エネ大賞受賞者一覧・受賞概要」から確認いただけますので、不当表示にご注意ください。(2025年6月24日)

ECCJ公式サイト

この記載内容から、2025年度の省エネ大賞受賞は12月中旬となっているので、7月の時点で商品の広告に表示されている場合は不審であると言えます。

また、GOOD DESIGN AWARD公式サイトにも以下のようにスケジュールが掲載されています。

2025年度グッドデザイン賞受賞発表は、10月15日13:30を予定しています。二次審査通過であっても、個人、企業に関わらず、SNSなどを含む全ての媒体において、受賞に関する公表は、指定日時までお控えください。二次審査通過、受賞内定という表現であっても公表することはできません。

GOOD DESIGN AWARD

上記引用より、2025年のGOOD DESIGN AWARDが決まるのは今年の10月中旬であることが分かりますので、受賞に関する公表はこの日時を過ぎないと公開できないことになっているため、まだ7月の時点で受賞が確定しているような記載をしているのはおかしいと言えます。

したがって、「GOOD DESIGN AWARD2025」「2025年度省エネ対象受賞」といった文言が使われている広告は不当表示を行っている可能性が高く、不信感の強い商品であると言えます。

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実際に買ったところ詐欺商品だったという声も

2025年7月8日に公開された、FNNプライムオンラインの動画によれば、偽広告に表示されたサーキュレータを実際に購入した方によれば、実際に届いたものとは広告とは似ても似つかぬ異なる商品であったということのようです。

ハコを見ると中国語が確認できる段ボールが届き、内容は、おもちゃのようなもので、まったく風を感じないような、うちわであおいでいる程度の風しか届かないというものであったようです。

しかしながら、広告では、1秒で室温を20度下げるという文言があり、広告とは見た目も全く違う、明らかな詐欺商品であることが分かります。

このように、広告掲載の商品を購入したとしても、見た目も性能も全く違う、おもちゃのような詐欺商品が届く可能性が高いと考えられますのでご注意ください。

まとめ

本記事では、YouTube広告のパナソニック共同開発の最小エアコンは詐欺かどうかについて調査して記載しました。

この記事が参考になれば幸いです。

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