2023年8月30日現在、ついにガソリン価格が過去最高値の185円に達しました。
政府はガソリン価格の高騰を踏まえて、ガソリン補助金を年末まで延長する方針で調整に入りました。
ただ、ネット上の反応を見ると、「トリガー条項をなぜ発動しないのか」などの投稿が多数あり、いまだに炎上している状況です。
そこで本記事では、トリガー条項をなぜ発動しないのか、凍結解除をしない理由について整理してまとめてみました。
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トリガー条項を発動しない・凍結解除しない本当の理由について
トリガー条項を発動しないのは、法改正が必要なためと政府は述べている
2023年8月30日時点で、現在凍結されているトリガー条項の発動を見送る方針であると政府が述べています。
政府がトリガー条項を発動しないのは、法改正が必要であるためと述べています。
また、そもそもトリガー条項を凍結したのは、
東日本大震災の復興財源の確保するため
とのことでした。
法改正が必要であるということであれば行えばいいのでは?
と思う方もいると思いますが、復興財源の確保のため必要ということであれば、改正はしなくてもいいと述べる人もいるかもしれません。
現在も所得税に2.1%プラスされて復興税というものを支払っています。
ただし、政府はその復興税を防衛費に流用すると言っています。
政府は14日、大幅に増やす防衛費の財源として、東日本大震災の復興特別所得税を転用する素案を与党税制調査会に示した。他に法人税、たばこ税も増税して充てる。岸田文雄首相は10日の記者会見で「個人の所得税の負担が増加するような措置は行わない」と説明していたが、復興特別所得税の転用は所得税の増税に当たり、発言の整合性が問われる。(近藤統義、山田晃史)
引用元:東京新聞 オンラインWeb版(2022年12月14日)
復興税が防衛費に充てられるのであれば、東日本大震災の復興財源の確保という大義名分は薄れてきていると政府が判断しているので、法改正しても良いのではと考えることができます。
トリガー条項の法改正をしないことについての政府の見解
現状、
- ガソリン価格が1リットル当たり200円を超える可能性もある
- ガソリン1リットル当たり160円を3か月連続で超えているため、トリガー条項の発動条件も満たしている
- 凍結理由である復興財源の確保という大義名分も薄れていると政府が判断している
ため、トリガー条項の発動をしてもいいのではと思われます。
トリガー条項を発動しない政府の見解は以下のとおりです。
- 法改正には時間がかかるため、スピード感をもってやるためには補助金で対応する必要がある
- 発動した場合のガソリンの買い控えや、その反動による流通の混乱が懸念
- 国や地方へ税収減を補填する必要がある
政府が挙げた見解ですが、個人的にはどれも「それなら仕方がないね」という内容ではない気がします。
法改正については、補助金での対応と並行してトリガー条項を発動するための法改正を並行して進めていくのはいかがかなと。
減税するとガソリンの買い控えは起こり、かつ流通が混乱するのでしょうか。
ガソリン補助金で補助するお金があるのであれば国や地方の税収減にもそのお金で対応することはできないですかね。
また、トリガー条項を発動して下がる税収減よりも補助金に使う税金の方が多いという資料もあります。
【画面上の注釈】
— やっかいなカエル (@9AsL9Y8a3RndLEo) February 10, 2023
※1:令和4年1月から令和5年の9月までの予算額(6.2兆円)及び石油連盟資料(都道府県別石油製品販売総括【確報】)を基にガソリン・軽油の割合を計算。
※2:政府による年間1.57兆円の減税見込みを基に※1ね期間相当額を計算。
※3:事業開始からの平均引き下げ額。 pic.twitter.com/6ezGah4pgQ
ここで紹介されている「政府による燃料油補助金と当分の間税率」の図によれば、
補助金を投入することで1.5兆円余分に税金を使っているが、減税よりも2円しか安くできない
ということになります。
この資料をみていくと、トリガー条項発動の方が、費用対効果が高そうです。
支出する税金をなるべく削減するためにも、正直トリガー条項を発動してほしいです!
トリガー条項を発動しない本当の理由は、減税をしたくないため
政府の見解には、明確に納得できるような理由が見当たらないので、トリガー条項を発動したくない真の理由があるのではと考えられます。
その理由は、
減税をしたくないから
という可能性が高いと思います。
このように考える背景としては、政府による増税路線が話題に上がっているからです。
金子洋一議員のXの投稿を見ると増税の可能性のある項目がいかに多いことが分かります。
岸田政権が増税しか考えていないことがよく分かる。政府税調答申より「本来、所得は漏れなく、包括的に捉えられるべきであることを踏まえ、経済社会の構造変化の中で非課税等とされる意義が薄れてきていると見られるものがある場合には、そのあり方について検討を加える」 https://t.co/BR5ndG500b pic.twitter.com/pYSbrdpPkc
— 金子洋一神奈川20区(相模原市南区、座間市)日本維新の会 (@Y_Kaneko) August 21, 2023
これだけ多くの項目(18項目)で増税をせざるを得ない理由が何かあるのかと思います。
そんな中で、「ガソリンにおいては減税をする」という方針を立てることはないといってもいいでしょう。
したがって、トリガー条項の発動をしない理由は「政府の中では増税ムードの中、減税をしたくないから」という理由に落ち着きそうです。
ガソリン補助金でガソリン価格を調整していただけるのはありがたいですが、それでも高いなと感じてしまいます(2023年8月30日時点で175円程度とのこと)。
トリガー条項を発動するなどして、またできれば余分な税金を投入することなくガソリン価格を抑える政策をするよう頑張って欲しいと思います。
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トリガー条項発動条件ついての説明(補足)
玉木雄一郎議員のXの投稿が分かりやすいのでこれを元に説明します。
引き続き毎日言う。
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) August 27, 2023
ガソリン税の暫定税率と二重課税はどう考えても理不尽。補助金やトリガー発動と同時に年末に向け抜本的な税制改正による減税を求めていく。
6月20日、国民民主党は
①現行補助の半年延長
②トリガー条項発動
③暫定税率や二重課税の廃止
の3つをセットで提言している。
もう動け! pic.twitter.com/itPC09NdFj
この図から分かるように、ガソリン価格100円と仮定すると、
- 石油石炭税2.8円
- ガソリン税本則税率28.7円
- ガソリン税暫定税率25.1円
が付与され、合体した価格に対して税金10%が上乗せされて172円になるという仕組みになっています。
つまり、「ガソリンが高いのは税金が高いから」というのは事実かと思います。
トリガー条項は一時的に赤い部分(ガソリン税暫定税率)を免除(減税)するというものです。
つまり、消費者にとっては25.1円ダイレクトで安くなります。
加えて、二重課税になっているため、ガソリン税暫定税率がなくなった分、税金も下がります。
ガソリン本体価格が100円だとすると、だいたい144円~145円になる試算。
トリガー条項発動の条件については以下のとおりです。
発動条件は、総務省が毎月発表しているガソリンの全国平均小売価格が3カ月連続で1リットルあたり160円を上回った場合。逆に原油高騰が一段落し、3カ月連続して1リットルあたり130円を下回れば元の税額に戻す仕組みだ。
引用元:毎日新聞Web版
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まとめ
本記事では、トリガー条項をなぜ発動しないのか、凍結解除をしない理由について整理してまとめてみました。
トリガー条項を発動するためには法改正が必要である。
政府は流通の混乱や法改正に時間がかかるなどの見解を挙げている
本当の理由は「減税をしたくないから」という可能性が高い
減税をしたくない強い背景や理由があるのでしょうが、最近物価が高く、増税までされると苦しいのでガソリン価格をもう少し抑えた政策をするよう、頑張って欲しいと思います。
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