こんにちは、ぎんたです。
IT・フォレンジック・セキュリティアナリスト関連業務を8年ほどやっております。
- 前回記事でRecent Filesについて解説していたけど、他にも同じように最近開いたファイルを確認できるアーティファクトはあるのかな?
- インシデント調査に有用そうだから、他にも解析できそうなアーティファクトがあれば教えて?
ファイル操作に関するWindowsのアーティファクトは複数あります。
今回は、そのうちの一つであるショートカットファイルを解析して端末上で開かれたファイルを調査する方法について解説していきます。
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Shortcut Filesの内容と解析対象の場所
Windowsは、ローカルまたはリモートで開いた各ファイルに対してショートカットファイルを作成します。
Windowsではファイルを作成したり開いたりすると、このような「.lnk」と拡張子が付いたショートカットファイルを作成する仕組みになっています。
ショートカットファイルを解析することで、
- ファイルを最初に開いた時刻:ショートカットファイル(Lnkファイル)の作成日時
- ファイルを最後に開いた時刻:ショートカットファイル(Lnkファイル)の最終更新日時
- 開いたファイルのパスに関する情報
- 開かれたファイル自身の更新・アクセス・作成日時
の情報を確認できます。
ショートカットファイルは、次の場所にあります。
C:\Users\<username>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Recent\
C:\Users\<username>\AppData\Roaming\Microsoft\Office\Recent\
(Win7/8/10)
このアーティファクトを解析するツールですが、今回はEricZimmerman氏のツールにある「LECmd」を紹介します。
このツールは無料で公開されており、以下のリンクからダウンロードできます。
「Eric Zimmerman’s toolsのダウンロードサイト」
LECmdを使ったShortcut Filesの解析
LECmdでは、次のコマンドでショートカットファイルを解析することができます。
LECmd.exe -d <ショートカットファイルのディレクトリ> –csv <csvファイルの出力先>
コマンドプロンプトで実行した状況
解析した結果は、csvファイルとして保存されます。
解析結果のcsvファイルをExcelで開くと以下のようになります。
黄色でハイライトした3つのファイルを確認すると、
- 該当のファイルを端末で12月2日13時ごろ(UTC)に開いている。
- これらのファイルは「192.168.148.30」の端末上のshare(共有フォルダ)のN研究報告関連フォルダ内にある。
- 共有フォルダ上のこれらのファイルは11月27日 15時ごろ(UTC)に作成されている。
ということが分かりますね。
SourceCreatedの項目が、最初に端末上で開かれた日時を表し、SourceModifiedの項目は、最後に端末上で開かれた日時をさすよ。
WorkingDirectoryがアクセスされたファイルのパスを表しているよ。
上記のように、解析結果の中に日本語が含まれている場合、そのままExcelで開くと文字化けする場合があります。
メモ帳などのアプリでcsvファイルを開き、「ファイル」→「名前を付けて保存」→エンコードの箇所を「ANSI」に設定して保存しなおすと、文字化けが解消されます。
端末上のファイルを消しても、過去開かれたショートカットファイルは残っていることが多いので、証拠隠滅事案のようなケースで効力を発揮するよ。
へー、カッコいい!クール!!
まとめ
今回は、ショートカットファイルを解析して端末上で開かれたファイルを調査する方法について解説しました。
- ショートカットファイルを解析することで、端末上で過去に開かれたファイルが判明する。
- LECmdを用いてショートカットファイルを解析できる。
- ファイルを最初に開いた日時・最後に開いた日時、ファイルの保存先などの情報が判明する。
- 過去に開かれたファイル自体を削除しても、ショートカットファイルはそのまま残っているケースがあるので、事案によっては有用である。
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以上、ぎんたでした。
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