2025年9月2日現在、アメリカでマイナーでプレーしている前田健太選手(以下、前田健太と記載)が「今年でアメリカは最後」「来年は日本に帰る」「どういう状況であってもです」と述べている旨がメディアで報じられており、メジャー年金10年を達成できるのかという、SNS上での投稿が複数なされている状況です。
- 前田健太はメジャー年金をそもそももらえるのか?
- マイナーでのプレイもカウントされて、メジャー年金は満額の10年(サービスタイム10年)でカウントされるのか?
- 前田健太が来年日本に帰ることが実現した場合、今からMLBに復帰してもメジャー年金10年を達成できる可能性はあるのか?
本記事では、前田健太はメジャー年金を10年満額でもらえるのかなどについて調査して記載します。
前田健太の現状の整理
まずは、2025年9月2日現在の前田健太のアメリカでの現状について整理します。
海外のWikiPediaによれば、前田健太のメジャー(MLB)での経歴は以下のとおりです。
- 2015年にドジャースと8年契約
- ドジャースは2020年シーズン前にツインズにトレード
- 2024年シーズン前にタイガースと2年契約
- 2025年5月にタイガースから解雇
- 2025年5月16日シカゴ・カブスとマイナーリーグ契約
- 2025年8月4日、ヤンキースとマイナーリーグ契約を結び、トリプルAのスクラントン・ウィルクス・バリ・レールライダーズに入団
このように、2015年からメジャー(MLB)などでプレイしている前田健太ですが、2025年9月2日現在、マイナー契約を結んでおり、トリプルAのスクラントン・ウィルクス・バリ・レールライダーズでプレーをしています。
上記経歴を経て、これまでのメジャー累計でのサービスタイムは「9年と35日」に達しており、あと137日ほどメジャーに在籍をすると、メジャー在籍10年に相当するとみなされる条件をクリアすることができます。

次にMLBのサービスタイムやメジャーの年金制度の概要について順に説明していきます。
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MLBのサービスタイムとはなにか
上記で触れたサービスタイムとは何か。
MLB公式サイトによれば、サービスタイムは以下のように定義しています。
- 選手は26人ロースター(アクティブロースター)、もしくはメジャーリーグの故障者リストに登録された日数に応じて、メジャーのサービスタイム(出場時間)を受け取れる
- ある年に172日以上メジャーリーグでプレーをした時点で、メジャーリーグでの在籍期間が1年に達したとみなされる
このことから、あくまでもサービスタイムとはメジャーリーグに在籍していた期間であり、マイナー契約の期間はこのサービスタイムに含まれないということが分かります。
2025年5月10日のGooニュースによれば、前田健太は2025年5月2日にタイガースから戦力外通告を受けており、その時のサービスタイム(メジャー在籍期間)が「9年と35日」であったとのことです。
そして、その日以降、今日まではマイナー契約であり、メジャーに所属していないため、サービスタイムは「9年と35日」のままであると考えられます。
メジャーリーグの年金制度は、試合出場登録の日数172日で「1年」とカウントされる。前田が事実上の戦力外通告を受けたのは5月2日だから、「9年と35日」。
Gooニュース(正式に発表、前田健太(37))
メジャー年金制度の概要
ここでは、メジャーの年金制度の概要について説明します。
メジャーの年金制度については、メジャー公式のプレイヤー特典フォームの「MLBPA」に以下のように記載しています。
メジャーリーグ43日以上の実戦経験を積んだ選手が年金プランに加入できる
Major League Players who have accrued at least 43 days of Major League service time participate in the Pension Plan.
「MLBPA」
したがって、年金プランに加入するためには、メジャーリーグで43日以上プレーをすることが条件であることが分かり、43日間プレイをすれば、満額ではないにしろ年金が受け取れる可能性があるということが分かります。
また、文春オンラインには、メジャー年金制度について、以下のように記載されています。
サービスタイムを10年を満たすと、62歳から毎年27万5000ドル(約4060万円「9月2日のレートで記載」)の年金が満額支給される
したがって、メジャーに在籍して10年(サービスタイム10年)を満たすと、62歳から毎年満額の毎年27万5000ドルの支給を受けることができるものとなります。

なんで毎年4000万円ほどの年金を生涯受け取れるようにしているの?

海外で投資サービスを提供する「BIP WEALTH」の記事によれば、元スポーツ選手の78%が引退後3年以内に破産するという事態にあるそうです。
MLB年金プランを活用することで、仮にそれまでの貯蓄を使い果たしてしまっても、経済的な安心感を与えることにもつながるのではとのことです。

スポーツ選手が引退後に3年以内に破産する割合がそんなに多いなんて驚愕だね
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現状では前田健太はメジャー年金10年満額でもらえない
2025年9月2日現在、トリプルA(マイナー)でプレイしている前田健太のサービスタイムは「9年と35日」のままであり、メジャー年金10年満額を受け取れる条件である、サービスタイム10年に達するためには、後137日のメジャー登録・在籍が必要となります。
しかしながら、現在前田健太はマイナー契約のままであり、メジャーに登録(在籍)しているわけではないので、この数値のカウントが進んでいないため、来年もし日本球界に戻るということになった場合は、メジャー年金10年満額は受け取ることができないと考えられます。
もし前田健太がシーズン中にメジャーに復帰したらどうなる
もし、前田健太が今シーズン中にメジャーに復帰し、来年日本に帰るということが実現したと仮定すると、メジャー年金10年満額はもらえるのだろうか。
MLBのレギュラーシーズンは例年3月末から9月末/10月頭までとなっています。
たとえば、本日9月2日にメジャーに在籍したとしても、シーズン終了までにはおよそ30日程しかないため、今期に積めるサービスタイムはせいぜい30日程度となります。
したがって、メジャー年金10年満額で受け取るまでには137日必要となっていますが、今期は残り30日程しかないので、今年中での満額達成は不可能だと考えられます。
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前田健太はメジャー年金10年満額はもらえないにしてもいくらもらえるのか
先ほどのメジャー年金制度の概要の内容では、「メジャーリーグ43日以上の実戦経験を積んだ選手が年金プランに加入できる」という記載がありました。
前田健太のサービスタイムは現在、「9年と35日」となっているため、その条件を満たしており、満額ではないにしろ、年金は受け取ることができると考えられます。
では、年金は満額ではないにしろいくらもらえるのかと考える方もいるかもしれません。
詳しい条件について調査してみましたが、MLB公式サイトを見るも、在籍期間に関する年金額の詳細については公開されておらず、前田健太の場合はいくらもらえるのかという正確な数字は不明となっています。
「選手年金は非公開なので、実働9年の選手には満額の90%が支払われるとの報道もあれば、『メジャーリーグ在籍43日以上で需給資格が生じ、1~5年、5~9年、10年以上で満額のカテゴリーがあって、そこに在籍年数に応じた金額が加算される』といったものもあります。選手会とメジャーリーグ機構の労使協定でその内容が話し合われ、若干変更されています」(前出・現地ジャーナリスト)
Gooニュース(正式に発表、前田健太(37))
上記Gooニュースにもあるように、選手年金は非公開であるため、メジャーでの実働9年などに対しいくらになるなどの詳しい計算式については、メジャー公式サイトなどの一次情報では明らかになっていないことが分かります。
9年で90%など、年数に応じて受給額がカテゴリー分けといった情報は、公式が明らかにしたものではなく、単に日割り計算をメディアで簡略化して記載したものである可能性もあるかと思います。

なお、MLBPA(メジャーリーグ選手会)公式サイトでは、メンバー向けに年金計算ツールがあることを確認しましたが、アクセスするもログインを求められたため、選手会の会員以外にはアクセスできず、詳細な年金額はメンバーでないと分からないと思われます。
これまでのメジャー年金10年満額を達成した日本人リスト
なお、メジャー年金10年を達成した日本人は誰だろうかと思われるかもしれません。
それについて、メジャー実働(サービスタイム)10シーズン以上をクリアした以下の選手は達成したと思われます。(参考:Gooニュース(正式に発表、前田健太(37)))
- 野茂英雄
- イチロー
- ダルビッシュ有
- 大家友和
- 松井秀喜

日本人でメジャー10年在籍を達成したメンバーの名前を見ると、日本でも活躍した有名な選手ばかりが並んでおり、かつまだ5人しか達成していないところを見ると、いかに大変な偉業であるということも分かります。
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まとめ
本記事では、前田健太はメジャー年金を10年満額でもらえるのかなどについて調査して記載しました。
この記事が参考になれば幸いです。
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