2023年9月4日、声優の甲斐田裕子さんがインボイス制度に反対する緊急提言を発表されています(インボイス制度を考えるフリーランスの会(通称「STOP!インボイス」)。
※動画に興味のある方は是非ご覧ください。
2023年10月に実施されるインボイス制度ですが、現状でもインボイスに反対する声は数多くあり、そのまま実施されると社会的な混乱が起こるのではないかと心配しています。
アニメ声優の3割弱が廃業を検討すると答えているようです。
日本が誇るアニメ文化が衰退するのではと不安に思ってしまいますね。
そこで、本記事では緊急提言で発表された、甲斐田裕子(「STOP!インボイス」メンバー)がインボイス制度に反対する理由について整理してまとめてみました。
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声優の甲斐田裕子インボイス制度になぜ反対?事業の廃業にもつながるヤバい理由5選
声優の甲斐田裕子(「STOP!インボイス」メンバー)さんらがインボイス制度に反対する理由は、以下のとおりです。
- 国民の生活が苦しい今の時期にやる理由がない
- 自由な商取引をゆがめてしまう可能性がある
- 個人事業主の本名などの個人情報がダウンロードされるセキュリティ上の懸念がある
- 生産性には一切寄与しない、事務負担が増す
- 電気代があがるなど、国民全員の生活負担が増すなどの影響がある
それぞれ順番に見ていきます。
国民の生活が苦しい今の時期にやる理由がない
インボイス制度は税率を変更しない消費税の増税であり、倒産件数が増えており、実質賃金が15か月連続でマイナスとなっている今あえてすることではないと動画で述べられています。
増税分は免税事業者、課税事業者、消費者の誰かが負わされることになるが、それを誰にするかを決めるのは、結局市場の力関係であり、取引相手へのお願いとなるでしょう。
たとえば、取引相手から課税事業者への転換を迫られて従った場合、納税と事務負担が発生してしまうことになります。
免税事業者で居続ける場合、
- 取引相手から、別の事業者に変えますと言われる
- 納税分利益が減るので値下げを要求される
などの可能性があります。
この状況をとらえ、どちらにしても地獄を見ると表現しているわけです。
自由な商取引をゆがめてしまう可能性がある
公正取引委員会はインボイス未登録を理由とした値下げや取引からの排除を一方的に伝えることは独禁法違反に当たる恐れがあると見解をしめしています。
ただ、これについて動画では、
- 実際には切られた理由がわからないまま仕事を失うケースが多い
- もともと発注元に身元が割れることを危惧して公正取引委員会へ通報がしにくい
- 影響を受ける事業者が1000万超えとも言われる中、公正取引委員会がセーフティーネットとして機能するかは疑問である
と述べられています。
弱い立場にある免税事業者はますます声を上げられない状況に追いやられていく可能性が高いように感じられますね。
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個人事業主の本名などの個人情報がダウンロードされるセキュリティ上の懸念がある
適格請求書発行事業者公表サイトにおいて簡単なプログラミングで個人事業主の本名といった情報が一括ダウンロードできるようになるとのことです。
それが事実であれば制度が開始される前に解決しないといけなさそうな問題といえそうです。
生産性には一切寄与しない、事務負担が増す
実務の現場では、取引相手が免税事業者であるか課税事業者であるか本則課税か簡易課税制度を使っているかどうかといった、これまでは必要のなかった極めてプライベートな慎重を要するデータの取得管理に追われているが、その作業は一切生産性に寄与しないと述べています。
インボイス制度がスタートすると、
- 会社の経理担当は残業がより増えてしまい、働き方改革で定めた方針を守ることが難しくなる
- 個人事業主の場合は経理の業務に時間を取られ、本来の業務を行う時間が圧迫される
といったことが起こりそうで制度が開始したら社会的な混乱や不満の声が高まりそうです。
電気代があがるなど、国民全員の生活の負担が増すなどの影響がある
これについても調べてみたら、インボイス導入で生じる大手電力会社の消費税負担を、”電気料金の値上げ”で対応する方針であることがわかりました。
つまり、大手電力会社での消費税負担を国民負担で賄うということです。
非課税事業者や一般家庭から買い取った電力は仕入控除ができないため、その分を国民が負担するイメージです。
今回紹介しているのは電力だけですが、これと同様のケースが他でも起こると思われるので、国民全体がインボイスによる消費税負担の影響を受けそうです。
消費税は生活が苦しい人に対しても等しく負担を強いるものなので、生活困窮者はますます苦しくなると思われます。
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まとめ
今回は、緊急提言で発表された、甲斐田裕子(「STOP!インボイス」メンバー)がインボイス制度に反対する理由について整理してまとめてみました。
およそ2,500億円の税収増のために、零細企業や収入が低い事業者の税負担を増やし、事務処理を増やす可能性が高いインボイス制度が今後これからどうなるのか。
注目してみていきたいと思います。
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